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ブリヂストン、来季限りで撤退/F1

 F1世界選手権にタイヤを供給する唯一のメーカー、ブリヂストンは2日、契約が満了する2010年シーズン終了をもってF1から撤退すると発表した。世界的な経済不況が続くなか、年間数十億円の経費を節減し、環境に優しいタイヤづくりなど、新たな分野に経営資源を振り向ける目的という。タイヤメーカーの撤退は競技存続にも影響は大きい。わずか1年の猶予での撤退は、国際自動車連盟(FIA)にとっても深刻な影を落とす。

 興奮が、いっきに冷めてしまう。今季最終戦が前日に終了したばかりのF1界に、衝撃が走った。「世界唯一のF1タイヤ」のコピーで、派手な広告を打ってきたブリヂストンが、撤退を宣言した。

 ブリヂストンは、97年からF1に本格参戦。98年には全16戦で9勝。同年は7勝に終わったグッドイヤー(米国)との“タイヤ戦争”に勝利し、01年に復帰したミシュラン(フランス)も06年限りで撤退。08年からの3年間はF1に出場する全チームに独占的にタイヤを供給する契約を結び、09年シーズンには約4万本のタイヤを供給した。だが、ライバル不在の独占供給では、性能を差別化するには不適当との声もあった。

 最高で年間100億円の運営、広告費を費やしたとされる同社は、需要低迷で6月中間連結決算で純損益が赤字に陥り、「一流の自動車メーカーから信頼を得る目的を達成したので、今後は(環境に優しい製品など)他分野の開発に重点を置きたい」と説明する。

 だが、事態は深刻だ。ブリヂストンは歴代2位の通算156勝。史上最多の91勝を挙げ、06年限りで引退したM・シューマッハー(ドイツ)は、そのうちの58勝を同社のタイヤで実現した。FIAは「ブリヂストンに勝るメーカーはない」と、単独供給契約を結んだいきさつもある。F1はレース存続に向け、新たな供給元を探すことが急務となるが、タイヤ供給には高度の技術と十分な開発期間、費用が必要。世界的な経済不況にあるいま、代役探しは難題だ。

 08年にホンダがF1、富士重工業が世界ラリー選手権からそれぞれ退き、リストラの一環として日本企業の撤退が相次いでおり、レース界に“寒風”が吹く。

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