フィギュアスケートGPシリーズ第4戦・NHK杯第1日(6日、長野市ビッグハット)男女ショートプログラム(SP)が行われ、第2戦のロシア杯で優勝した安藤美姫(21)=トヨタ自動車=が2位発進。「スケート人生で最悪のでき」という内容ながら首位のアシュリー・ワグナー(18)=米国=に0.32点差の56.22点で、GP2大会連続Vを狙う好位置につけた。男子SPでは右ひざ負傷からの復活を目指す高橋大輔(23)=関大大学院=が、得意のステップで尻もちをつくなどで出遅れ78.18点の4位スタートとなった。
死者を悼む荘厳な「レクイエム」の調べが途切れても、美姫の顔に笑顔は戻らなかった。「スケート人生で、きょうが最悪な演技。恥ずかしいです」。唇をかみしめて演技を振り返った。
首位と0.32点差の2位でも喜べない理由は、気持ちの“揺らぎ”だった。冒頭に予定していた3回転-3回転の連続ジャンプを回避。優勝したロシア杯直後から決まっていたニコライ・モロゾフ・コーチの指示だったが、『ジャンプの安藤』の心はうずいていた。モロゾフ氏が中国杯で不在の間、名古屋で3回転の連続ジャンプを猛特訓。ゴーサインを待ったが回避方針は変わらず、「物足りないな、という気持ちが演技に出てしまったのかも」と胸の内を明かした。
跳ぶべきか、跳ばざるべきか…。06年トリノ五輪以降、美姫にとってはずっと“それが問題”だった。4回転など高難度ジャンプへの期待に応えたい美姫と、ジャンプ以外の力を伸ばしてくれる恩師。今年3月の世界選手権(ロサンゼルス)ではSP後に高難度ジャンプへの挑戦を巡り口論。結果的にはモロゾフ氏の指示通り回避して銀メダルを獲得し、「ジャンプだけ考えていたのは間違いだった」と新境地を開いたが、大好きなジャンプへの“欲求不満”がうずき出した格好だ。
「(表現力より)きょうからはジャンプで、と切り替えようかなあ」と最後はおどけてみせた美姫。きょう7日のフリーで2位以上なら、五輪代表選考対象のGPファイナル進出が確定する。ロシア杯ではSP57.18点の3位から、首位との0.76点差を逆転して優勝しており、GP2大会連続優勝も射程圏内。夢のバンクーバー五輪『内定第1号』も見据え、勝利を奪いに行く。




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