<フィギュアスケート:NHK杯>◇初日◇6日◇長野市ビッグハット
女子ショートプログラム(SP)で、GP2連勝を狙う安藤美姫(21=トヨタ自動車)が56・22点をマークし、2位につけた。ジャンプで1度転倒しながら、表現力で高評価を得て首位ワグナー(米国)にわずか0・32点差。それでも、3位以上で出場が決まるGPファイナル(12月3日開幕、東京)進出を意識して2連続3回転ジャンプを回避する安全策に「スケート人生の中でも最悪の演技」と厳しく自己評価。開幕まで100日と切ったバンクーバー五輪への強い思いをのぞかせた。中野友加里(24)は3位。
演技を終えた安藤は無表情だった。首をかしげるわけでもなく、淡々と四方の観客に向かってあいさつした。SP2位となる得点を見ても気持ちは消化不良のままだった。「スケート人生の中でも最悪の演技。ミスではなく、心を見せることができなかった」。悲しそうな目をしながら、はっきりとした口調で話した。
序盤の3回転フリップで転倒した。後半のスピンの1つが最低評価のレベル1にとどまった。56・22点は安藤にとっては低いが、表現力を示す5項目の得点は4項目が高得点の7点台をマーク。優勝したロシア杯SPの57・18点に迫り「ここまで点が出たことにはビックリ」と、表現力には自信も深めた。しかし、GPファイナル出場を優先し、高難度の3-3回転を跳ばず、安全策を取ったことが納得できなかった。
冒頭で3-2回転を跳び「やはり3―3(回転)は入れないといけないジャンプ。自信が持てず、気持ちが入らないまま演技してしまい恥ずかしい」と振り返った。今大会は公式練習で3-3回転が好調。本番で成功する自信もついた。
だが、モロゾフ・コーチに「3-2でいく」と指示された。先週は同コーチが、中国杯に出場した織田信成の指導のため不在で「練習で『これでいいのかなと』と不安だった」という。その中でも成功率を高め、公式練習では成長した姿を見せたつもりだったが、信頼を勝ち取っていない自分が腹立たしかった。
2週間前のロシア杯はGPシリーズ3季ぶり2度目の優勝を飾った。同大会も3―3回転は回避したが、表現力を生かそうとSPの曲を変更するなど積極的な姿勢が奏功。GP2大会を通じて「ジャンプと表現力の両方を備えている人が勝つ」という考えが芽生えた安藤は、バンクーバー五輪に向けて「人生最悪の演技」を境に、また1つ上のレベルを目指し始めた。【高田文太】




![[写真]着氷で失敗し転倒する安藤美姫(撮影・たえ見朱実)クリックで拡大](http://c2i.msn.co.jp/Sports/images/article/091107/088f1750-4740-4749-b257-6b79eb40cf8d.jpg)





