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第25回 交流戦終了、注目はカープ!

 交流戦も終わりまして、リーグ戦がいよいよ本格化します。セ・リーグでは阪神が好調でした。ソフトバンクと勝率では並びながら、前年の交流戦成績で優勝を決めるという規定によって2位になってしまいましたけど、さすがの強さを見せてくれましたよ。一方、先月私がお勧めした西武は最後に6連敗して負け越し……。このコラムをご覧の皆様には深くお詫びいたします。

 それにしても西武は、よく研究されてしまった感じでしたね。広島との試合で、先発の高橋建が1回で降板し、長谷川がスクランブル登板するという場面があったんですけど、この時の長谷川はフォークボールを巧みに使ってボール球を振らせていました。西武打線のフルスイングというのは脅威ではあるんですけど、その「振ってくる」というチーム方針を逆手に取っていましたね。

 丁度西武のチーム状態も落ち気味だったということもあって、こういう交流戦成績になってしまいました。

 交流戦の最終成績を見てみますと、やはり投手力のいいチームが好成績を残しています。特に、終盤の中継ぎ・抑えがしっかりしているチームが強かったですよ。

 JFKの阪神、武田久・マイケルの日本ハム、豊田・クルーンの巨人。一つだけ異質だったのは、優勝したソフトバンクですね。杉内・和田・大隣が3戦連続完投勝利なんてことをしてましたけど、ソフトバンクの場合は先発力の勝利でしたね。

 楽天も途中までは優勝争いをしていました。ここも、抑えや中継ぎがしっかりしていれば、優勝できただろうと思いますよ。

 それにしても一つ気になるのは、パ・リーグのピッチャーのバッティングですね。普段見られないものですから楽しみな方も多かっただろうとは思いますが、あまり打つ気のある選手はいませんでした。大隣が見事なホームランを打ったり、ダルビッシュがタイムリーを打ったりしたのは良かったんですが、全く打つ気なく立ってるだけのピッチャーもいっぱいいましたからね。ああいう姿勢はお客さんに失礼です。あんなことなら、全試合DHでやった方がいいんじゃないかと思ってしまいますけど、みなさんどうでしょう?

 さて、今年はオリンピックで主力が抜けるチームも出てきます。この先の流れが全く読めないシーズンなんですが、その中でもこの先の台風の目として注目したいチームがあるんです。どこでしょうか? 広島カープです。

 カープは本拠地の広島市民球場が今年で最後ということで、いま広島では大変な盛り上がりを見せています。入場者数は交流戦で前年比20%増、シーズン全体でも15%増だそうですよ。大変なことです。

 カープといえば、これまでは終盤にひっくり返されるゲームが多かったんですが、今年は一味違います。実は今季、1点差のゲームに限っては8回・9回で無失点なんです。横山・シュルツ・永川という勝利の方程式が素晴らしい働きを見せています。JFKがよく騒がれますけど、今年に限ってはJFKよりも永川らのほうが上ですよ。

 永川は今年コントロールが安定し、素晴らしいシーズンを送っています。横山は近年になく体調がいいそうです。シュルツというピッチャーにはあまり皆さん馴染みがないかもしれませんが、長身を活かした145キロを越えるストレートと、変則的なフォームでのタイミングの取りづらさが持ち味のピッチャーです。あれを1イニングだけで攻略するのは骨が折れますよ。

 先発も、ルイスという素晴らしい柱ができました。交流戦でもトップタイの5勝を挙げましたけど、このルイスがいるお陰で今年のカープは連敗が少ないんです。

 バッターで言えば、前田智徳や緒方孝市を代打で使えるほど層が厚くなりました。東出は打率が2位、赤松や天谷も機動力を活かしてチームに貢献しています。倉・石原というキャッチャーコンビは盗塁阻止率でセ・リーグトップですよ。非常にいいチーム状態です。

 一つ不安材料があるとすれば、ルイス・高橋建に次ぐ先発が薄い、ということでしょうかね。でも、ここにも救世主がいます。前田健太という高卒2年目のピッチャーがそうです。

 前田健太はPL学園出身で、今年から佐々岡真司の背番号18を受け継いだエース候補です。桑田2世という呼ばれ方もされてますね。しかしこれも誇大なものではなくて、彼のクイック、スピード、カーブなどは桑田に匹敵します。フィールディングもいいですし、打っても桑田以上の長打力がありますよ。2年目の桑田と比べても、全く遜色ありません。

 前田健太と聞いて、交流戦の日本ハム戦でノーヒットノーランをやりかけた試合を思い出す方も多いと思います。この試合で、彼はすごいセンスを見せ付けたんです。

 2回に1アウト一、三塁のピンチを迎えた場面があったんですが、ここで前田健太は鶴岡のスクイズを外しました。この話を後から聞いたら、構えはアウトローのストレートだったんだけど、ランナーが走るのが見えたので高めに外したというんです。さすがPL出身、桑田そっくりの冷静さ、ピッチングセンスですよ。

 彼は甲子園に行ってませんから、桑田ほどの知名度はないかもわかりませんけど、それでも桑田2世と呼ばれるに値する、すばらしいものを持っています。次回の登板でもいい成績を残せれば、自信と勢いがついて一気に加速するんじゃないでしょうか。

 注目の広島カープ、セ・リーグに戻っての最初の3連戦は目下のライバル・巨人です。この3連戦に勝ち越すようなことがあれば、クライマックスシリーズも見えてきます。ルイス、高橋建、そして前田健太という三本柱で来るんじゃないでしょうか? 今季の行く末を左右しかねないこの3連戦をお楽しみに!

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