今シーズンも終盤に入り、両リーグとも熾烈を極めている。権利というのは、クライマックスシリーズ出場という意味での権利と理解していただきたい。阪神・巨人、西武・オリックスは、ほぼその権利を手中に収めていると言ってもいいだろう。しかし、中日・広島・ヤクルトの争い、日本ハム・ソフトバンク・ロッテの争いは非常にヒートアップしてきた。都合10球団が熾烈な争いを繰り広げているということで、今年のシーズンはファンの皆さんにも楽しんでいただけているであろう。
その枠に横浜・楽天が参加できていないことは寂しく思うが、両チームのファンは別のところで楽しみを見出して欲しい。例えば、若手の成長やタイトル争いなどだ。さて、この熾烈な争いを、まずセ・リーグから検証していきたいと思う。
まずは優勝争いについて話しておかなければいけないが、一時期巨人が3.5ゲーム差まで詰め寄ったものの、中日との3連戦で連敗し、逆に阪神はなんと3連戦全てサヨナラ勝ち。巨人はその差をまた広げられてしまった。試合の消化も巨人のほうが早く、このゲーム差は非常に厳しい数字に見える。従って、阪神の優勝はほぼ間違いないものと考えてしまう。
巨人の2位以上ということも確定。残る一つの枠は、底力を見ると中日に軍配が挙がりそうだ。広島はルイスという大黒柱がいる。そのルイスが9月9日の横浜戦で痛い黒星を喫した。この1敗が大きく響いてきそうな気がしてならない。ここに来てのエースの負けは2~3敗の重みがある。その後横浜に連勝し、首の皮一枚つないでいる状況だ。広島の強みは、8回・9回を1点差で逃げ切れるということだ。接戦に持ち込んでいけば、何とか食らい付いていけそうな気はする。
ヤクルトは甲子園での3連戦、全てサヨナラ負けを喫し、なんとも痛い星を落とした。その前のカード、巨人戦での連敗を高卒ルーキー由規が止め、チーム全体の流れが変わると予想したが、その流れを作れないままの甲子園での連敗は非常に痛かった。しかし、ゴンザレス、石川、館山、ダグラスといった前半にはない強力なローテが揃ってきたので、中日にとっては嫌な存在と言える。
まだまだ予断を許さない形に見えるが、クライマックスを想像した時、どこが3位で上がってきたとしても、巨人は非常に嫌な相手と当たらなければいけない。ヤクルトに対しては大きな勝ち越しをしているが、広島には負け越し。また、この大事な中日戦でも連敗したということが、クライマックスに向けて不安材料と言える。ここは是が非でもトップを目指さなければ、昨年の二の舞を演じてしまいそうな気がしてならない。阪神が逃げ切り、巨人が2位だったとしたら、1位と3位のチームが日本シリーズの権利を賭けて戦う構図になってくるだろう。
パ・リーグの優勝争いも面白くなってきた。西武がケガ人の続出で失速し、逆にオリックスの勢いが止まらない状況になっている。ここに来て西武のケガ人は非常に痛く、それを感じさせない頑張りを見せてはいるものの、大黒柱と言えるエースがいないことが痛い。絶対にコイツで勝てるという計算が立つピッチャーがいないのだ。エースは涌井なのだが、このエースに安定感がないのが気がかりだ。
逆に、オリックスの投手陣が安定してきている。金子・小松・岸田・山本といった投手が安定を見せている。それと共に、打線の破壊力。カブレラ・ローズの勢いは止められない。バッティングは水物と言うが、この2人のチャンスでの集中力は素晴らしい。どこまで勢いを持続できるかがカギである。持続できたとすれば、例え2位通過だったとしても、西武は非常に嫌な相手と当たらなければならないことになる。
それ以上に熾烈なのは、3位争いである。11日現在、日本ハムが3位ではあるが、ソフトバンク、ロッテがすぐ後ろから追っている。しかし、内情をよく見てみるとソフトバンクは故障が多く、また、和田・杉内でここのところ星を落としているのが非常に気になる。その反面、新垣が勝ち星を取るようになってきているのが明るい材料とは言えるが、なかなかそううまくはいかないだろう。また、今年急成長を見せた大隣の離脱も非常に痛い。
ロッテもケガ人が出た。3番今江が骨折で離脱したことで、打順に試行錯誤していることがわかる。ロッテの中で一番上り調子で、勝負強さを見せていた今江だけに、大きな痛手だ。また、バレンタインの戦略も非常に悪い。前日にホームランやタイムリーを打ったような選手を外し、オーダーを組んでくる辺りが、何とももどかしさを感じる。選手からすれば、活躍しても翌日のスタメンの保証が無いわけで、フラストレーションが溜まるのではなかろうか。
日本ハムはダルビッシュという大黒柱がいるだけに、強みが多少あるのではないかと思うが、打線が寂しい。取っても3~4点だ。更に、抑えの武田久やマイケルが不安定な状況だけに、決め手に欠ける。
それでは、3位はどこかと想像すれば、日本ハムの昨年までの経験、ダルビッシュとチームリーダー稲葉の存在がある日本ハムが一つ抜けているように思う。
両リーグを検証してみたが、まだまだ予断を許さない状況だ。しかし、今年のシーズンはとにかく盛り上がっている。一試合でこれほど順位がめまぐるしく変わるシーズンはそうそうないだろう。こうした戦いを日々繰り広げている選手たちに感謝をしたい。残り試合わずかとなったが、ファンの方々は一日たりとも見逃さないで楽しんでいただきたいと思う。
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第6回 熾烈な権利争い
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