野球選手は今頃安堵の表情でオフを満喫していることと思う。また、契約更改でも大きなトラブルもなく、順調に進んでいるように思う。来季に向けてのチーム構想などもニュースになっている。しかし、WBCのニュースの少なさについてふと疑問が残った。この一大イベントについて、盛り上げ方が下手だと思うのは私だけだろうか。
12月15日に第1次候補が発表されるが、中日にオファーした選手が全員辞退したということもあり、どうしても今回のWBCは盛り上がりに欠けているように思う。3月上旬に開幕を迎えるWBCは、今から煽ってもいいほどの大きなイベントだ。また、本大会がアメリカで行われる。その経済効果は新聞発表では350億円とまで言われている。そのぐらいの経済効果がある大イベントに対して、なぜ盛り上げないと思うのだ。
海の向こうではA-RODことアレックス・ロドリゲスがドミニカ共和国代表としてWBCに出場するというニュースがあるなど、大きく扱われている。更に、A-RODは4番ということも発表され、予想のラインアップまで出ている。3番オルティズ、4番A-ROD、5番マニー・ラミレス。是非見たくなるようなクリーンアップだ。
日本は第1回大会優勝チームである。言ってみれば、迎え撃つ立場である。もっともっと情報を出していいように思うが、北京での失敗が尾を引いているのかもしれない。しかし、オリンピックとWBCではその戦い方の性質からして違い、完全にプロとして戦う以上、もっと宣伝効果や盛り上げ方が重要になってくるのではないか。
恐らく、水面下では非常に試行錯誤しながら動いているのだろうとは思うが、例えば原監督自身がダルビッシュと会食してみたり、岩隈と交渉したりするような、大々的な効果を生む映像で大会を盛り上げ、演出してみてもいいと思う。オリンピックはアマチュアの祭典であり、WBCはプロの祭典である。その構図から行けば、プロというのは演出も大事な部分だと私は考える。
第1回で強烈なリーダーシップを見せたイチローなどを使い、若手選手と一緒に自主トレをする発表があってもいいだろう。松井秀喜が10日に帰国したが、それを原監督が出迎えてもう一度出場するように口説くというような光景はどうだろう。イチローや松坂などは出場がわかりきっているのだから、この2人だけを使ったWBCのCMなどがあってもいい。これだけの演出でもWBCに向けて想像が膨らんで面白いと思うのだが、そういったこともなく、淡々と進んでいる。プロとして、演出としてどうなのかと疑問が残ってしまう。まだまだ盛り上げるには時期が早すぎるということだろうか。
僭越ではあるが、私もこの大会を盛り上げようということで、先のドミニカ共和国の話ではないが、私のWBC日本代表メンバーを予想させてもらおう。
1番センター青木、2番ショート松井稼頭央、3番ライト・イチロー、4番ファースト小笠原、5番レフト福留、6番キャッチャー城島、7番サード岩村、8番セカンド井口、9番指名打者中島。
現時点ではこうなるが、まだ候補メンバーさえ発表されていないので、あくまで予想である。左が多すぎるのが少し気になるところで、原監督は右左のジグザグ打線を組みたいと思っているだろうが、難しい部分がある。しかし、こうやって考えてみると、つくづく豪華なメンバーだろう。
一番の問題は、4番がいないことである。日本で本当に中心を打てるバッターが少ないということに気がつく。やはり松井秀喜の存在は大きいと改めて思った。3番や5番だったら申し分ない選手は沢山いる。しかし誰もが納得する4番となるとなかなか難しく、寂しい思いがする。とは言え、前回も全員野球で勝ったのだ。緻密さや勝負強さ、日本の特長であるスピードなどで補えれば、何ら問題はない。
投手陣は、松坂を筆頭にダルビッシュ、岩隈、黒田らの名前が挙がるだろう。左は国際試合で抜群の実績を持つ和田。内海のカーブも面白いだろう。楽しみなのはダルビッシュや岩隈のような、日本で活躍している選手がどれだけ世界の舞台で戦えるのかだ。
クローザーを誰にするかというのは難しい。藤川球児は時期が悪い。ああいうタイプは投げ込んでいかないと本当のスピードが出ないし、オリンピックではシーズンの疲れを持ち込んでしまった。球児本来のキレとスピードが戻れば通用しないわけがないのだが。
WBCというのは接戦が予想される。その中でセットアッパー・クローザーというものは大きな役割を占める。クローザーは前年度の疲れがどれだけ取れているかによって、全く調子が変わってくる。そのために今年失敗したのが、登板過多で疲れが残っていた岩瀬だろう。本来の岩瀬の投球が全くできなかったのがかわいそうで仕方がない。
クローザーの候補は沢山いるだろうが、その時の状態を見て決めるのも手ではないかと思う。このポジションは経験が必要なだけに、いきなり先発投手を宛てるわけにはいかない。たとえば黒田などは、後ろの経験もあるから試してみてもいいように思う。
私の中でポイントを握ってきそうなのが今年日本シリーズで活躍した岸である。なぜなら、先発で結果を残し、プロ初のリリーフでもほぼ完璧な投球を見せたからだ。特長であるあのカーブが外国人選手に通用するかも興味深い。
いずれにしても、第1回のチャンピオンチームにふさわしい戦いを望んでいる。日本らしい野球ができれば、またチームの和が乱れなければ、連覇も夢ではない。先ほどスタメンを予想したように、個性豊かな選手が揃っている。それを束ねてチームにしていく原監督の手腕も見ものであるし、期待をしたい。
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国内プロ野球 コラム 野球の神髄
第9回 WBCについて
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