注目情報

モータースポーツ コラム

『2009年シーズン展望』低迷するマクラーレン、かつてない混戦の予感

 昨年はタイトルを賭けて最終戦まで熾烈な戦いを繰り広げたマクラーレンとフェラーリ。長年F1界をリードしてきた古豪2チームを中心とした勢力図に、今年は変化が見られている。まず開幕前のテストで王者ルイス・ハミルトンを擁するマクラーレンが低迷。全10チームが参加したウィンターシーズン終盤の合同テストでは10チーム中、なんと最下位を記録するのである。エアロダイナミクスを改良して臨んだ最後のヘレステストで復調の兆しを見せてはいるものの、マクラーレンのチーム関係者からも「開幕戦ではトップを争える力はまだない」という声が挙がっており、名将ロン・デニスが第一線から退いて迎える今シーズンは、マクラーレンがかなり厳しい戦いを強いられることは必至である。

 今シーズン、マクラーレンが低迷している理由は、大きくレギュレーションが変更されたためである。そのマクラーレンに代わって、昨年のコンストラクターズ選手権王者のフェラーリとトップの座を争うのではないかと見られているのが、BMWザウバー、トヨタという自動車メーカーからバックアップを受けているワークスチームだ。マクラーレンがタイトル争いをフェラーリと演じている昨シーズン途中から、KERS(運動エネルギー回生システム)のテストを開始していたBMWザウバー。またトヨタは09年のレギュレーションが固まった07年10月からエアロダイナミクスの開発をスタート。ウィンターテストではフェラーリとともにつねに上位につけ、安定したスピードを披露している。

 また昨年に続いてトップグループの中にいるフェラーリだが、マシンの性能に関しては、昨年までのようなアドバンテージがない。それだけに、2人のドライバーがそれぞれのポイントをつぶし合うと、昨年のようにドライバーズタイトル争いで不利な状況になることも考えられるだけに、2年ぶりのドライバーズタイトル奪還に向けては冷静で慎重な対応が求められるところだ。

 この3チームの中に、3月になって割って入ってきたのがブラウンGPである。旧ホンダチームからチーム代表のロス・ブラウンがチームの株式を100%購入してオーナーとなってスタートしたブラウンGP。初めて参加したバルセロナテストでいきなりトップタイムを叩き出して、ポテンシャルの高さを披露し、不気味な存在となっている。

 さらにその後方では、セカンドグループを形成する7チームが激しい攻防を繰り広げている。最後の合同テストとなったヘレスでトップタイムをマークしたウィリアムズ。05年と06年の王者フェルナンド・アロンソを擁するルノー。エイドリアン・ニューウェイの自信作『RB5』を手にしているレッドブル。そのレッドブルと基本的に同じマシンで戦うことができるトーロ・ロッソ。ウィンターテストを見る限りはこれら4チームと同レベルの速さを見せているフォース・インディアも決して侮れない存在である。そして、このセカンドグループに王者マクラーレンもおり、今年の予選は第1ピリオドからかつてないほど厳しいノックアウト方式の戦いが見られるはずだ。

 このように、今シーズンのF1は20台の差が接近しており、トップ争いだけでなく、20人がそれぞれのポジションで白熱したバトルを展開するだろう。つまり、それはポイントが分散されることを意味し、昨年以上に1ポイントの価値が高まる可能性を示唆している。ハミルトンが1点差で逃げ切った昨年。21年ぶりの三つ巴戦の末に決着した一昨年。今シーズンのチャンピオンシップ争いが、それ以上にドラマチックな展開で決しても、なんら不思議はない。

 濃密な17戦がいよいよスタートする。

[PR] お役立ち情報

MSNスポーツ - コラム一覧

PR

このページ上に表示される記事内容、あるいはリンク先の記事内容はMSNおよびマイクロソフトの見解を反映するものではありません。