第4戦バーレーンGPではF1参戦8年目にして、チーム創設以来、初となるフロントロー独占を果たしたトヨタ。ところが、2戦後のモナコGPでは予選でまさかの19位&20位。予選での最後列もまたチーム創設以来のワースト記録だった。レース後に行なわれた会見で、新居章年テクニカルコーディネーション担当ディレクター(DTC)がトヨタの現状を語った。
--予選では、いったい何が起こったのでしょうか。
新居DTC「とにかく、グリップがなかった。これは土曜日だけでなく、木曜日のフリー走行1回目から発生していました。そこで金曜日にTMG(トヨタ・モータースポーツGmbH.)と連絡を取り合って善後策を検討。土曜日のフリー走行3回目に向けて、さまざまなプログラムを用意し、2人のドライバーにフィーリングを確認してもらいました。ところが、2人でまったく異なるメニューをこなしてもらったにもかかわらず、症状が一緒で相変わらずグリップがないという状態が続いたまま、予選に臨んだというわけです」
--では、予選結果は予想していた?
新居DTC「厳しいものになるとは予想していましたが、まさか最下位とは……。2人とも『あとコンマ2秒は速く走れる』と言っていました。ただ、グリップがないので、そのタイムを引き出すにはリスクを覚悟しなくてはならず、なかなか出せなかったんです。Q1の最後はもう失うモノはなかったので、ティモ(・グロック)が渾身のアタックをしたんですが、限界を超えてしまってスピン。ヤルノ(・トゥルーリ)はセクター2までは自己ベストをコンマ3秒更新していたので、Q2へは進出できると思っていましたが、前にいた数台のクルマが車間距離を空けていたために、最終コーナーでタイムを大きくロス。あと少しのところでQ2進出のタイムに届きませんでした」
--レースではグロックがピットレーンからスタートしました。
新居DTC「クルマの状態がかんばしくない予選と同じ状態で2台を走らせてもあまり意味がないと判断して、1台のセッティングを大きく変えるためにピットレーンスタートを選択しました」
--グロックの方が速かったようですが、グリップ不足の原因は特定できましたか。
新居DTC「正直に言えば、まだ正確に何が原因だったのかは把握できていません。ただ、今日になって2人ともソフトタイヤ(ハード側)に関しては、グリップ力は戻ってきたと言っていました。特にヤルノの第2スティントで履いたソフトはよかったと言っていました。ただし、スーパーソフトタイヤ(ソフト側)に関しては、意見が分かれました。ティモはよかったと言っていますが、ヤルノは相変わらず、グリップしなかったと言っています。2人のベストタイムが、ヤルノは第2スティントのソフトで出したもので、ティモは最後のスーパーソフトで記録したのも、そういったことが理由だったようです。2人で違いが出たので、今後TMGでデータを解析して、原因究明にあてたいと思っています」
--ティモのセッティングはどのように変えたんですか。
新居DTC「少しフロントサスペンションを軟らかくしました」
--トゥルーリが2回ストップにしたのですか。
新居DTC「スーパーソフトのタレを考慮しました。結果的にヤルノはスーパーソフトでタイムが伸びなかったので、2ストップで正解だったと思います」
--ティモがスーパーソフトを履いた終盤のラップタイムはほとんどタレがないように思えるほど安定していますが、ティモのセッティングにグリップ不足の解決策のヒントが隠されているのではないですか。
新居DTC「そうかもしれませんが、まだわかりません。というのも、ヤルノに比べれば速かったですが、同時期にスーパーソフトを履いて走行していたフェラーリやアロンソと比べると、まだ遅い。ティモのセッティング変更だけで、すべてが解決したとは思っていません」
--今後の開発は?
新居DTC「確かにモナコで起きたことは無視できない問題だと思っています。ただし、モナコは特別なサーキット。あまりモナコを意識しすぎて、ほかの開発が狂わないよう気をつけなければなりません。トルコでは、序盤戦のスピードをしっかりと取り戻せるようこれから2週間、しっかりと準備したいと思っています」
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『モナコGP注目会見』初めて予選最後列に並んだトヨタ
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