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『日本GP注目会見』日本GP初表彰台を獲得したトヨタ

 ホンダがF1を去り、日本チームとして唯一、今年の日本GPに参戦したトヨタ。経済状態が依然として完全な復調を見せておらず、来季のF1活動が不透明な中、トヨタにとって8度目の母国GPは大きなプレッシャーを背負いながらの戦いとなった。さらに金曜日にはティモ・グロックが体調を崩し、土曜日は予選でクラッシュ。ヤルノ・トゥルーリの1台だけで臨んだ決勝レースは、8年間のトヨタのF1活動の中でベストレースともいえる出来で2位を獲得。それは日本GPで日本のチームが初めて表彰台に上った瞬間だった。今回はレース後に行なわれた新居章年テクニカルコーディネーション担当ディレクター(DTC)の会見をお伝えする。

--今の感想は?

新居章年DTC「力を出し切り、少し疲れていますが、その疲れを感じさせないくらいうれしいです。ティモの欠場で1台だけでのレースとなりましたが、その1台に的確な作戦を与え、ドライバーも期待通りの走りを披露。そして、ピットクルーがすばらしい作業を行なってくれました。今日の2位表彰台はまさにチームが一丸となって獲得したものだと思います。もちろん、まだ表彰台の頂点に立ったわけではありませんが、今日は素直に2位を獲得したことを喜びたいと思います」

--レースを振り返っていただけますか。

新居章年DTC「ベルギーGPで2番手からスタートしたときは、1コーナーまでそんなに距離がないだろうから、ポジションはキープできるだろうと高をくくっていたら、あのような結果(3番手のニック・ハイドフェルド/BMWザウバーにインを差されて、1コーナーで追突)になったこともあって、今回は斜め後ろにKERS(運動エネルギー回生システム)を搭載したハミルトン(マクラーレン・メルセデス)がいましたが、今回は『ベッテル(レッドブル)を食うつもりで行こう』とみんな気合いが入っていました。ですから、スタートした瞬間の蹴り出しは悪くなかったと思います。でも、そこからの加速が少し伸びが足りなかったようです。そのため、ハミルトンを抑えることは難しい状況となり、4番手からスタートしたハイドフェルドにも並ばれましたが、ヤルノがうまくインをキープして3番手に踏みとどまってくれました」

--その後、ハミルトンからポジションを奪い返すために、どのような作戦を立てたのですか。

新居章年DTC「レース中のマクラーレンのクルマと、我々のクルマを比較した場合、第1セクターはヤルノが速く、第2セクターはハミルトンが速く、第3セクターはイーブンでした。第1セクターはコーナーが連続するため、2秒以内に接近するとタービュランスの影響を受けて、それ以上接近できませんでした。さらにスタート時の燃料搭載量はほぼ同じだったので、1回目のピットストップでかわすことは不可能と考え、勝負は2回目のピットストップ時に設定しました。つまり、1回目のピットストップ時にマクラーレンよりも燃料を多く搭載して、そこで逆転する作戦を立てたのです」

--ドライバーにはどのような指示を出したのですか。

新居章年DTC「『ハミルトンとの差を3秒以内に保ってくれ』と、伝えました。一時その差が3秒以上に広がってしまったときもありましたが、なんとか3秒差以内をキープしてくれました。しかし、先に2回目のピットインを行なったハミルトンも我々が予想していたアウトラップよりも速いタイムで走行したため、再び逆転するのが難しい状況となりましたが、インラップの直前にヤルノが自己ベストタイムをマークするすばらしい走りを披露して、ピットイン。ピットクルーも完璧な作業でヤルノを送り出して、1コーナーでハミルトンの前に出ることに成功しました」

--セーフティカーが出たとき、ベッテルとの間に周回遅れのロマン・グロージャン(ルノー)がいましたが……。

新居章年DTC「FIA(国際自動車連盟)に確認したところでは、『再スタートが切られたら、グロージャンが譲るのでそこで抜くように』という返答でした。そのため、再スタートではベッテルを抜くより、後ろのハミルトンに抜かれないよう、あまりグロージャンに近づきすぎて加速を鈍らせないことだけをヤルノに注意しました。そのときハミルトンのクルマはKERSに問題を抱えていたのですが、それを伝えるとヤルノの集中力を乱す恐れがあったので、その件については黙っていましたが、レース後にヤルノに聞くと、第2スティント後半にハミルトンの走りを後方で見ていて気づいていたようです」

--レース後のチームの集合写真では豊田章男社長も輪の中で喜ばれていましたが……。

新居章年DTC「いいレースを披露できて、よかったです。それとともに、ハミルトンをかわした瞬間、スタンドから歓声が聞こえてきたことが何よりもうれしかった。日本のファンのみなさんにいいレースが披露できてよかったです。本当にご声援、ありがとうざいました」

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