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安田記念、下馬評はダービー馬対決もウオッカの優位動かず

ヴィクトリアマイルを楽勝し、昨年以上の態勢で安田記念に臨むウオッカ。連覇ならヤマニンゼファー以来の快挙になる。(photo by 倉元一浩)

ヴィクトリアマイルを楽勝し、昨年以上の態勢で安田記念に臨むウオッカ。連覇ならヤマニンゼファー以来の快挙になる。(photo by 倉元一浩)

 春開催のフィナーレを飾る安田記念で、ウオッカ vs ディープスカイのダービー馬対決が実現する。両馬は昨秋の天皇賞とジャパンCで対戦済みだが、マイルG1にダービー馬が集うのは異例。共に舞台の東京1600mでG1制覇の実績もあり、安田記念のレース史上、空前のマッチアップと言っていいかもしれない。この2頭を軸にレースが展開することは確実だが、2強対決は一方が崩れることもめずらしくなく、伏兵の台頭にも十分に気をつけたい。

 主導権を握るのはウオッカ。ディフェンディングチャンピオンにして前走のG1ヴィクトリアマイルでは7馬身差の独走Vを決めるなど、実績、臨戦過程とも申し分ない。昨春はドバイ遠征帰りのダメージから立て直しつつの調整だったが、先のヴィクトリアマイルではボリューム感十分の万全を思わせる気配。レースも気つけのステッキ2発で楽々と片づけた。ここへ向け、ちょうどいい脚慣らしとも言える内容だっただけに、昨年以上のパフォーマンスで連覇を成し遂げる可能性も低くはない。まず、馬券対象にならないようなことはないだろう。

 ウオッカを負かしにいく立場のディープスカイは、昨秋の直接対決で1勝1敗の五分。ただ、先着を許した天皇賞・秋は1000m通過58秒7で淀みなく流れたのに対し、逆転したジャパンCの1000m通過は61秒8と3秒以上も遅い。NHKマイルCこそ制しているが、当時は稍重(2レース前まで重)発表の馬場で1000m通過は59秒2でしかない。実のところ、速い流れへの対応力は未知数だ。対して、ウオッカが圧勝した昨年の安田記念は57秒9、終い流した前走ヴィクトリアマイルでさえ58秒6。ウオッカとの斤量差も昨秋から2キロ広がり、果たして、下馬評通りの2強対決に持ち込めるか。少しでも時計を要す馬場状態が理想だろう。

 2強に続くのは、実績的にもスーパーホーネットカンパニー。前走はマイラーズCでワンツーを決め、マイル前後の距離では安定して上位の力を発揮できる。スーパーホーネットは毎日王冠でウオッカに差し切り勝ち、カンパニーも天皇賞・秋でウオッカ、ディープスカイとタイム差なしの接戦を演じており、ここでも軽視はできない存在だ。ただ、ワンパンチ足りないのも事実。スーパーホーネットは昨年の安田記念とマイルCSで共に1番人気の支持を集めながらモノにできず、カンパニーも再三のG1挑戦で2年前に3着が1度あるのみ。今回も善戦止まりに終わる懸念を拭い切れない。

 前走G1勝ちの勢いあるローレルゲレイロだが、信用できるのは1400mまで。マイルでは前記2頭にも劣り、よほど恵まれないと勝ち負けまでは難しい。同じく前走G1勝ちでは、香港のサイトウィナーの方がローレルゲレイロより勝負になりそう。ただ、そのチャンピオンズマイル優勝は道悪に助けられたもので、良馬場のスピードくらべでは分が悪い。昨年2着のアルマダも来日するが、近走からはピークを過ぎた感があり、今年は厳しい戦いになるのではないか。

 ウオッカを除く実績上位馬に死角が見えるだけに、上がり馬を狙ってみるのも面白い。

 前哨戦の京王杯SCを制したのはスズカコーズウェイ。勝ち時計はヴィクトリアマイルの1400m通過ラップと同タイムだけに、流す余裕があったウオッカ以外となら、互角に戦えるだけの力を感じさせる。何より、2月の1000万下から3勝を積み上げ、一気に重賞を突破した目下の充実ぶりが目を引く。3歳時にはニュージーランドTで1番人気に支持された素質の持ち主でもあり、京王杯SC6番人気、安田記念7番人気で連勝したアサクサデンエン(2005年)のようになることも。東京では末脚堅実な2着トウショウカレッジともども要注意。

 また、東京新聞杯で豪快な差し切り勝ちを演じた良血アブソリュートも、同じ舞台で再度の一発を警戒。前走のマイラーズCは初の関西遠征で大きく体を減らしてしまったが、回復すれば巻き返しがある。ジャパンCで一躍スポットライトを浴びたスクリーンヒーローとは、母が全姉妹で父が同じロベルト系という、極めて近い血統構成の従兄弟関係。この馬にも本格化後の躍進があって驚けない。対照的にタマモサポートは太目残りの体が絞れれば。近走は好時計で圧勝した京都金杯当時より10キロほど重い。すっかり忘れられつつあるだけに、当日の仕上がり具合は要チェックだ。

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