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宝塚記念、果たしてディープスカイの1強か?

人気の盲点になりそうなスクリーンヒーロー。距離短縮での変わり身が十分にある。(photo by 倉元一浩)

人気の盲点になりそうなスクリーンヒーロー。距離短縮での変わり身が十分にある。(photo by 倉元一浩)

 早いもので2009年の競馬も折り返し。今週末の宝塚記念で上半期の総決算を迎える。かつては名ばかりの「サマー・グランプリ」になることが少なくなかったレースだが、近年は開催日程の前倒しなどテコ入れもありメンバーが充実。ファン投票1位のウオッカが回避したのは残念だが、同2位のディープスカイは上半期の大目標へ満を持しての出陣となる。挑戦者たちの力量も負けず劣らずで、がっぷり四つに組んだ力と力の激突は見逃せない。梅雨時ゆえの不確定要素はさておき、ひとまず良馬場前提に決戦の行方を占う。

 安田記念では、掴みかけた勝利をゴール間際でウオッカに逆転されたディープスカイ。内容的には着差以上の完敗だったが、マイラーとして素質を伸ばしたウオッカに対して、ディープスカイには「距離適性」の免罪符がある。過去3回の直接対決で、2000mまではウオッカに2敗しているものの、2400mのジャパンCでは3/4馬身先着しているように、2200mの距離なら女傑にもヒケは取らず、実力的には最右翼の存在。4歳馬は過去5年で連対率50%と他の世代を圧倒しており、ここは負けられない戦いになる。

 ただし、天皇賞・春でも指摘したように、現4歳はG3での戦績さえ例年に劣る低レベル世代。実のところディープスカイも古馬混合に戦いの場を移してからは未勝利だ。その4戦中3戦がG1で、離されても勝ち馬から3/4馬身なら面目は保っているが、いかに現役最強クラスが相手だったとはいえ、この馬とて「ダービー馬」の金看板を背負う身。同馬以前のダービー馬10頭のうち、その後1年間で古馬混合戦に臨み、G2以上のレースで勝ち星をあげられなかったのは、この馬のほかにアグネスフライトしかいない(3頭は早期引退)。

 アグネスフライトの世代といえば、皐月賞と菊花賞を制した二冠馬エアシャカールでさえ、菊花賞後は10戦未勝利で引退という近年有数の低レベル世代。先週からのクラス再編では、3歳世代が年長世代を退けて次々に勝ち名乗りをあげ、通常、再編序盤は分が悪い芝長距離戦(2200m以上)でも、3歳馬が出走した2レースでは共に勝利した。クラス再編で最も得をするはずの4歳世代が、そのアドバンテージを生かせておらず、層の薄さを改めて露見した例と言えるだろう。こうした比較から、ディープスカイにも取りこぼしの危うさがある。人気必至で見返りも小さいだけに、裏目、タテ目は押さえておきたいタイプだ。

 危うい要素をはらみながら1番人気必至のディープスカイに対し、盲点になりそうな存在がいる。昨年のジャパンCで同馬を撃破したスクリーンヒーローだ。道中は前にウオッカとメイショウサムソン、後ろにディープスカイと3世代のダービー馬を置き、その中から抜け出した内容は、展開に恵まれたものではなく実力の為せる業。今季は2戦して奮わないが、母系は中距離のスピード型、父グラスワンダーも99年の当レースを圧勝するなど中距離志向だっただけに、3000m級の距離が長すぎたのだろう。天皇賞・春から1000mの短縮は大きなプラスとなるはずだ。天皇賞・春は14着に沈んだが、大敗組が巻き返した例(2004年リンカーン13着→3着、2006年ナリタセンチュリー12着→2着)もあり、ダービーと同様、人気落ちで気楽に乗れるケースの鞍上も怖い。

 宝塚記念といえば、善戦マンが悲願のG1制覇を成し遂げてきたレースでもある。その例に当てはめるならアルナスライン。菊花賞はアタマ差、前走の天皇賞・春は落鉄もありクビ差。文字通りの惜敗で涙を飲んできたが、今回はメンバー的にも前走と大差なくチャンスだ。二走前から蛯名正義騎手とコンビを結成するや重賞初制覇。天皇賞も敗れたとはいえ2着と一時のスランプを脱し、流れは決して悪くない。ディープスカイとは初顔合わせになるが、今年になって共に対戦経験があるドリームジャーニーを物差しにすれば勝機も十分。スクリーンヒーローとはアルゼンチン共和国杯でハンデ差が5キロありながら2馬身以内、同斤の有馬記念は状態ひと息で1馬身に詰め、天皇賞・春では逆転した。実力を発揮できる状態なら、ここで大願成就もあるだろう。

 天皇賞・春でアッと言わせたマイネルキッツ。巧く運べた面はあるが、戦績からも隠れたステイヤー資質が一気に開花したと解釈すべきだろう。2000mでは勝負所で置かれる鈍さがあり、G3でも取りこぼしが続いた。今回はやはり距離短縮が課題で、改めて力を試される一戦。ドリームジャーニーサクラメガワンダーは中距離路線の上位馬だが、前者は産経大阪杯で休み明けの上に斤量が2キロ重いディープスカイとわずかクビ差、後者は同じ2200mの京都記念でアサクサキングスにねじ伏せられている。実力的に一枚落ちる感は否めず、勝ち切るには展開などの助けがほしい。昨年3着のインティライミと老いて盛んなカンパニーは道悪時の連下要員。

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