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メジャーリーグ コラム 日本人メジャーリーガー応援宣言!

イチローにも“産みの苦しみ”? 大記録目前でまさかの足踏み(1/2)

 日本人メジャーリーガーの活躍を応援し、メジャーをさらに楽しむためのコラム日本人メジャーリーガー応援宣言!」。今回は、9年連続200本安打という前人未到の大記録達成を前に、ふくらはぎの痛みで欠場という思わぬトラブルに見舞われた、イチロー外野手(シアトル・マリナーズ)について取り上げることにしよう。

まさかの故障! 偉業達成は9月へお預け

 メジャーリーグについて学術的な研究活動を行う「ベースボール・カレッジ」では、長かった夏休みが終わり、キャンパスに学生たちが戻ってきた(アメリカの大学は、一般的には9月から新学年が始まる)。学生たちは、夏休みの思い出を語り合いながら、新学期への準備を始めているようだ。

ライアン(学生):「ハーイ、ゴードン久しぶり。元気そうだね」

ゴードン(学生):「やあ、ライアン。君こそ元気そうじゃないか。今年の夏休みは充実していたかい?」

ライアン:「ああ、日本食レストランで働いていたんだ。しっかりお金も貯めることができたし、レストランのオーナーになるという将来の目標ができたよ」

ゴードン:「僕は、独立球団でインターンを務めていたんだ。わがままな選手たちには、ずいぶん手を焼かされたけれどね。将来のGM就任へ向けて、夢の第一歩が始まったという感じかな」

エリック(学生):「ミナサーン、コンニチワ。エリックです」

ライアン:「エリックさん、久しぶり。日本へ行ってきたんだって?」

エリック:「そう、日本のプロ野球に関する現地調査を行ってきたよ。今年中にはレポートを完成させて、大学に提出する予定さ」

ゴードン:「日本では、相変わらずメジャーが人気あるんだろ?」

エリック:「そうだね。特にイチローの活躍には、日本中の野球ファンが注目しているよ」

ライアン:「でも、まさかイチローがこの大事な時期に欠場するなんて、夢にも思わなかったよな」

 これも“産みの苦しみ”ということなのか。シーズン開幕時こそ胃潰瘍で出遅れたイチローだったが、その後は全くの不調知らず。快調なペースでヒットを量産し続けてきた。8月18日に行われたデトロイト・タイガース戦では4安打の固め打ちを見せるなど、8月14日から19日にかけて5試合連続マルチヒットを記録。8月全体でも33本のヒットを放つなど、200安打到達まであと16本というところまで漕ぎ着けていた。

 しかし、山頂が見えてきた九合目付近までたどり着いたところで、思わぬ難所が待ち受けていた。23日に行われたクリーブランド・インディアンス戦の試合終盤に、左ふくらはぎの張りを訴えて途中交代。4月の故障者リスト入りに続いて、今季2度目の長期欠場を余儀なくされた。

 万全の体調管理と丹念なトレーニングで、故障知らずの肉体を作り上げていたはずだったが、イチローも35歳。オリックス・ブルーウェーブでプロデビューを果たして以来、ここまで文字通り全力疾走で駆け抜ける野球人生を送ってきた。体のあちこちにガタが出てきたとしても、決しておかしな年齢ではないだろう。

 しかしそれでも、誰も成し遂げたことのない偉業達成を目前に控えてのトラブル発生には、野球の神様を呪いたくなる。開幕時の胃潰瘍はWBC(ワールド・ベースボール・クラシック)の激闘における心身両面での疲れが原因ではないか、と言われた。だとすれば、今回の故障も大記録達成を目前に控えた重圧が、知らず知らずのうちに肉体へ負担をかけていたのかもしれない。

 とはいえ、イチローは復帰への道のりを順調に歩んでいる。28日に行われたカンザスシティ・ロイヤルズ戦の試合前には、通常通りの練習を行うことができた。打撃とスローイングに関しては、ほぼ問題ないところまで回復しており、コンディション自体は確実に良くなっている。ベースランニングさえ通常通り行うことができれば、ドン・ワカマツ監督からも出場へのGOサインが出るはずだ。

 しかし一方では、全力で走れないということが、イチローという野球選手にとっては重大な問題になる、ということが浮き彫りになったともいえるだろう。トレードマークの内野安打はもちろんのこと、持ち前の芸術的なバッティング技術も、豊かなスピードに裏打ちされて初めて真価が発揮される。この点は松井秀喜(ニューヨーク・ヤンキース)のような、長距離打者とは大きく異なる点だ。今回も決して深刻な負傷ではないものの、無理して試合に出して故障箇所を悪くしないようにという、ワカマツ監督以下チーム首脳陣の配慮があったことは確かだ。

 だがそこには、イチローにも着実に“老い”の影が忍び寄っていると言えないだろうか。そしてマリナーズがもし、プレーオフ出場がもっと有望なチームであったならば、それほど慎重な判断を下すことができなかったかもしれない。

その2へ続く>>

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