日本人メジャーリーガーの活躍を応援し、メジャーをさらに楽しむためのコラム日本人メジャーリーガー応援宣言!」。今回は、故障者リスト(DL)からの復活を目指す松坂大輔投手(ボストン・レッドソックス)と、打球が頭部を直撃するという衝撃のアクシデントから立ち直り、復活の白星を挙げた黒田博樹投手(ロサンゼルス・ドジャース)について取り上げることにしよう。
マイナーリーグで調整を続けてきた松坂は、9月15日のロサンゼルス・エンゼルス戦で6月以来となるメジャーのマウンドへ上がる。チームがプレーオフ出場へ向けて厳しい戦いを続けている中、復帰を果たす松坂は、今度こそ結果を出すことができるのであろうか。そしてひと足早く復活を遂げた黒田は、これからも先発ローテーションを守り続けてドジャースの地区優勝を決める原動力となれるのであろうか。二人がともに目指すのは、ずばりプレーオフでの好投と、そしてワールドシリーズへの出場だ。
ついに復活、でも先発4番手へ「降格」? 厳しい状況の松坂
メジャーリーグについて学術的な研究活動を行う「ベースボール・カレッジ」では、新学期の授業が始まった。学生寮では、新入生向けのオリエンテーションが行われているようだ。
アーサー(寮長)「新入生諸君、ようこそベースボール・カレッジへ。この学生寮での生活は、君たちにとって大切な時間となることだろう。ルールを守って、楽しいキャンパスライフを送って欲しいと思う。そのためにも今日は、上級生の皆さんから君たちへアドバイスを送ることにしよう。まずは、本校を代表する優等生のライアンからどうぞ」
ライアン(学生)「はじめまして。優等生なんて紹介されて、なんだか恥ずかしいです。ほんとは普通の学生ですから、勉強のことは質問しないでくださいね」
ハービー(新入生)「じゃあ、勉強以外の質問です! ライアンには、ガールフレンドいますか」
ライアン「ええっ。いや、それはノーコメントってことで」
エレーナ(新入生)「ライアンは、勉強がスランプに陥ったことはありますか」
ライアン「うーん、まぁ何時もスランプみたいなものだけどね。でも、テストで1度や2度落第したって、メゲずに気分転換することが大事だね。授業に出席して、予習・復習をしっかりやっていれば大丈夫さ。そうだ、新入生の時はお腹を壊して入院したことがあったな。あの時は、退院した日の翌日がテストだったからあせったよ」
エレーナ「結果はどうだったんですか」
ライアン「それがなんと、前日にかけたヤマが全部当たって合格点を取ったんだよねぇ。ピンチを跳ね返して見事に復活できたというわけ。災い転じて福となす、ってところかな」
災い転じて福となす。これこそ、現在の松坂が目指すべき状況だ。6月に今季2度目のDL入りとなって以来、松坂はフロリダ州にある球団施設でのリハビリを経て、マイナーリーグでの調整登板を続けてきた。9月9日にはチーム傘下1Aセーラムの試合に登板し、89球を投げて6回2/3を1失点の好投。メジャー復帰へのゴーサインが出る形となった。昨シーズンは18勝をマークした投手が、勝負どころのシーズン終盤に「4軍」である1Aの試合に出るとは寂しい状況である。だが、実戦で充分に投げ込みができたことは、松坂本人にとっても大きな収穫となったことは確かだろう。
本拠地フェンウェイ・パークで行われる復帰戦の相手エンゼルスは、現在ア・リーグ西地区の首位を快走する強豪。松坂にとっては、いまだ勝ち星を挙げたことのない「天敵」でもある。そんな相手といきなり対戦するのは、いまの松坂にとっては正直、重荷であると言わざるを得ないだろう。球場を埋め尽くした熱狂的なレッドソックスファンの前で、ナイスピッチングを披露することになれば、「DICE-K」復活をアピールすることができる。だが早々に捕まってノックアウトされるようなことになれば、失望した観客から一転して痛烈なブーイングを浴びることも予想される。レッドソックスは13日現在、ア・リーグ東地区の2位につけている。しかし、宿敵ニューヨーク・ヤンキースには依然として7ゲーム差を付けられており、地区優勝はほぼ絶望的な状況だ。残るはワイルドカードによるプレーオフ進出に望みを託すことになるが、こちらは現在トップの座をキープしている。だが、2位のテキサス・レンジャーズが4ゲーム差で食らい付いてきており、まだ楽観できるような状況ではない。もし、15日から始まる対エンゼルス3連戦で負け越しを喫するようなことになれば、事態はさらに混迷を深めることになりそうだ。その初戦で先発を務める松坂に、重圧がかかるのも当然のことだろう。
もし松坂が復帰戦と、それに続く登板でも良いピッチングができなければ、たとえレッドソックスがプレーオフへの進出を決めたとしてもポストシーズンで先発する可能性は遠のいてしまう。13日付の地元紙『ボストン・ヘラルド』では、プレーオフでの先発ローテーションはエースのジョシュ・ベケット投手をはじめ、若手のジョン・レスター投手や成長著しいクレイ・バックホルツ投手の3人が「当選確実」と分析している。だが松坂に関しては、「オン・ザ・バブル(当落線上)」としているのが現状だ。つまり、今後松坂がどれだけ好投したとしても、現在のチーム状況では4番手の先発ピッチャーに過ぎない、ということになる。まだ今季1勝しかしていない現状では仕方がないが、これはあまりにも寂しい話だ。
苦しい状況を背負って、復活のマウンドに上る松坂。それでもチームメイトの奮闘で、プレーオフ出場への可能性が残っていただけ幸せだ、ということもできる。13日には29歳の誕生日を迎えて「アラサー」となった松坂が、ここで巻き返しを図ることができるか注目しよう。
その2へ続く>>





