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メジャーリーグ ワールドシリーズ2008特集

ワールドシリーズ2008特集

「世界一」かけた最終決戦、2人のサムライが最高峰の舞台へ

岩村明憲は聡明な男かもしれない

 メジャー屈指の「お荷物球団」だったタンパベイ・デビルレイズ(当時)に、ポスティング制度を利用しての入団が決定したときは、移籍先への不安を感じたファンも少なからずいた。岩村は当時、自身のブログに「自分が入ることによって起爆剤となり、チームの白星を増やすことに貢献したい」とつづっている。レギュラーとして毎試合出場できるチームへの入団は良いことかもしれない。だが万年下位のタンパにいる限り、ポストシーズンでプレーすることは無理だというのが当然の見方であった。

 だが、チームが「レイズ」に生まれ変わった移籍2年目の今年、岩村は見事にそれを覆して見せた。ボストン・レッドソックスとのア・リーグチャンピオンシップ・シリーズ、レイズは第4戦を終わって3勝1敗と早々に王手をかけたものの、第5戦で7点差をひっくり返され、まさかの大逆転負け。本拠地での第6戦も完敗を喫し、ついに「逆王手」をかけられた。しかし、迎えた第7戦。2点リードで迎えた9回表、ツーアウトから岩村はセカンドゴロを冷静にさばき、自ら二塁ベースを踏んで一塁走者を封殺した。塁上で飛び上がって喜びを爆発させる岩村。王者レッドソックスを破り、球団史上初のリーグ優勝を達成した瞬間だった。入団時の言葉は現実となった。レイズへの入団は、やはり正解だったのだ。

 わずか2年でチームをペナントへ導くことができるとは、さすがの岩村も予想していなかったかもしれない。だがポストシーズンでも、岩村はチームの1番打者としての役目を立派に果たしている。ウィニングボールは、勝利の女神が彼に与えたご褒美だったといえる。あとは「世界一」のウィニングボールを手にするだけだ。レイズと岩村の「アメージング・ストーリー」は、いよいよ最終章を迎える。

田口壮は幸運な男かもしれない

 2007年オフ、田口は6年間在籍したセントルイス・カージナルスを去り、フィラデルフィア・フィリーズへと移籍した。だが、レギュラーシーズンでは十分な出場機会を与えられず、不本意な内容のプレーに終始した。ロサンゼルス・ドジャースと戦ったナ・リーグチャンピオンシップ・シリーズでも、いい当たりを放ちながら相手のファインプレーにヒットを阻まれるなど、最後までバットから快音は聞かれず。「今年はずっとこんなですよ」と、チームに貢献できない自らの不運を嘆いていた。

 だが、それはあくまでも田口個人の話だ。マニー・ラミレス外野手や、プレーオフで好投を続ける黒田博樹投手らを擁するドジャースを圧倒し、フィリーズは1993年以来、15年ぶりにワールドシリーズへと駒を進めた。チームメイトが、田口に名誉挽回の舞台を与えてくれたようなものだ。ラッキーと言うしかない。これが自身3回目の「フォール・クラシック」。大舞台になるほど、経験豊かなベテランの存在は利いてきる。このポストシーズンではまだヒットが出ていないが、重要な場面で代打として出場し、貴重な快打を放ってチームを勝利へと導く…そんな場面も期待できるだろう。2個目のチャンピオンリングまで、あと4勝である。

 創設126年目の古豪フィリーズには、ベテランの田口。創設11年の新興レイズには、メジャー2年目の岩村。対照的なチーム同士による頂上決戦で、日本人選手の活躍が勝負を決める場面を期待したい。一つだけ確かなこと、それは2008年も日本人メジャーリーガーが必ず頂点に立つと言うことだ。シリーズ初戦は、現地22日、レイズの本拠地トロピカーナ・フィールドでプレーボールを迎える。

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